一般社団法人 メディホープかながわ

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薬害根絶デー

2017年8月24日は、薬害根絶デーでした。

8月24日は、薬害エイズ事件の反省をふまえ、薬害の再発防止を記した「誓いの碑」を建立した日です。

 

毎年、この日を「薬害根絶デー」として、薬害の根絶や未だに存在する薬害被害の実態を訴え、考えるための集会が開かれます。

 

 

TBSニュース(2017/8/24 薬害被害者らが厚労相と面会、救済制度の充実など要望・映像あり)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3138292.html

 

 

研修としての薬害根絶デー

 

メディホープかながわでは、この集会への参加を研修として位置付けています。
薬剤師として医療倫理を学ぶ上で、薬害は避けては通れない課題だからです。

 

今年はこの薬害根絶デーに、4月に入職した1年目職員5名および引率1名の計6名が参加しました。

 

薬害根絶デーの午前中は、子宮けいガンワクチン(HPV)訴訟の弁護士でもある水口真寿美さんの講演を拝聴。

 


弁護士でありながら、医学的な見地からもHPVワクチンの問題をお話頂きました

 

 

講演終了後は、厚生労働省前で薬害被害に遭われた方などのリレートークを聞き、
薬害根絶の碑の前で厚生労働大臣に要望書を手渡す現場に立ち会いました。

 

今年はHPVワクチンの副作用被害者の方数名が、直接厚生労働大臣に向けてそれぞれの痛切な想いを訴えていたのが印象的でした。

 


右側の建物が厚生労働省

 


写真左手奥に「誓いの碑」があり、その前で厚生労働大臣に要望書を手渡しました。

 

午後は他法人の新人薬剤師と一緒に薬害についてのグループワークを行い、
それぞれが事前に調べてきた過去の薬害事件について話し合いました。

 

 

薬害と副作用の違い

 

薬害は、単なる薬の副作用とは異なります。

薬害とは、医薬品を適正に使用していたにも関わらず、企業・行政・医療機関等の瑕疵や不作為によって副作用被害が起きてしまい、特に社会問題化したものを言います。


例えば『サリドマイド』という薬品が原因で起こった薬害は、当時の医薬品審査体勢が不十分だっただけでなく、

外国での被害実態を把握していたにも関わらず国・企業が発売中止になかなか踏み切らなかった事で、日本において被害が広がってしまう原因となりました。

 

人の健康に役立つためにあるはずの薬ですが、逆に多くの人を苦しめる結果になってしまうという、二面性も持っているのです。
私たちは薬を扱うプロとして、こういった医療倫理や医薬品を適正に使用するための知識を積極的に学び、活かしています。

 

 

いまなお続く薬害

 

薬害は決して過去の出来事ではありません
薬害の被害者はいまなお苦しんでいらっしゃいますし、
現在使用されている医薬品でも、その安全性が問われているものがあります。

医薬品情報は、日々刻々と更新されていきます。
また、時代と共に気をつけなくてはいけない事柄も変化し続けています。

最近では、海外からの医薬品輸入の簡便化が問題となっていますね。

 

今後ともそういった事に注意を払いながら、
民医連やその他の個人・団体等と力を合わせ、私たちに出来る事に力を注いでいきたいと思います。

 

 

文責:平野賢治(薬学生・教育担当)